代表 河 端 謙 治
高齢化の進展と供に色んな課題があります。
以下は、多角的に資料を集めました。
「男女共同参画白書」より
家族の形や結婚の在り方が大きく変化している。
昭和55年から40年後の令和2年と比べてみた。
ドラえもんの様な核家族や、サザエさんの様な3世代家族が大幅に減少している。
■ 昭和55年「単身者世帯・19,8%」(3位)
↓
令和2年 38%(1位)約2倍になっている
※ 単身者世帯に生涯未婚者も含まれる。又、高齢化と共に増加。
■ 昭和55年「3世代等・19,9%」(2位)
↓
令和2年 7,7%(最下位の5位・7,7%)
■ 「ひとり親と子供世帯・5,7%」(最下位の5位)⇒4位(9,0%)
※ 子供が独立すると、単身高齢者世帯になる可能性が高い。
■ 「夫婦のみ世帯・12,5%」(4位)⇒3位(25%)
■ 「夫婦と子供世帯・42,1%」(1位)⇒2位(25%)
■ 「20代独身男性の4割がデート経験なし」・「妻・恋人がいない6割」
■ 「生涯未婚率」(50歳時点での未婚率)男性(25,7%)女性(16,4%)
※ 性別人口で見ると男性が多い為、仕方がない。
このデータを見ると将来、単身高齢者社会が訪れる。在宅介護(家族介護)も厳しい社会に日本はなる。
高齢おひとりさま740万人に急増
■ 構成比は女性が65%を占める
■ 国民生活基礎調査(厚生労働省2019年)によれば、65歳以上の単身世帯は736万9000世帯
(高齢者単独世帯内訳)
○ 性別高齢者単独世帯 男性35%・女性65%
○ 性別高齢者年齢構成 男性65~69歳 30,9%もっとも多い
女性85歳以上 21%と多い
■ 高齢者世帯の世帯構造
(内訳)
○ 夫婦のみ世帯46,6%
○ 女の単独世帯32,2%
○ 男の単独世帯17,3%
■ 高齢者世帯数
(内訳)
○ おふたりさま世帯 693万世帯(おひとりさま予備軍になる)
○ おひとりさま世帯 736万世帯
■ 50歳時の未婚率 男性23,4% 女性14,1%
※ 50代~60代はひとりっ子も少なくない
■ 「婚姻件数」50年前は年間100万件以上が2019年では約60万件に減少
■ 「離婚件数」年間21万件(2002年からほぼ横ばい)
■ 「死亡者数」19年138万人⇒2040年168万人(30万人増加)
介護離職と深まる貧困に苦しむ女性
■ 親などを介護している介護者は627万6千人その内63%が女性 (「就業構造基本調査」2017年総務省)
※ 2010年以降、介護離職は増加傾向で女性が大半を占める。
※ 2020年「介護・看護」を離職理由にした人は、約7万1千人その内女性が75%(約5万3千人)
※ 今の介護保険制度では、介護離職をしないと介護出来ない設計になっている。
■ 年収200万円以下の給与所得者(貧困層)(「民間給与実態統計調査」国税庁2020年)
※ 約1200万人(内の女性が約800万人70%を占める)
※ (貧困層は全体の約22%を占める)
※ 2006年に1千万人を超え、貧困層が毎年増え続けている。
シングルマザーの女性の家庭は特に深刻。
※ 男女間の賃金格差は、男性を100とすると女性は75,2と開きがある。
■ 2000年に始まった介護保険制度は、要介護3以上でなければ特養等に入所出来なくなった。その為、家族介護が基本となる。ディサービスを利用するくらいでは、仕事との両立が難しく、離職せざるを得なくなっている。
※ 女性が介護しながら仕事が出来る就労支援が必要。
■ 厚労省の2021年の調査では、介護職員の平均月収は25万1千円
全産業平均月収は35万5千円と比べると10万円以上も下回る。
※ 介護報酬(介護保険サービスの公定価格)が低い事が原因。
※ 慢性的に人材不足になっている。
※ 政策として、処遇改善と全産業平均までの賃上げを求めないといけない。
このままでは、いずれ介護崩壊も考えられる。
■ 2001年に誕生した小泉政権による規制緩和によって雇用格差に賃金格差が大きくなって来た。
■ 非正規雇用は2021年で37%まで増えた。
※ 2021年の平均年収は、フルタイムの正社員で約323万円に対し非正規社員は、約217万円と3分の2となっている。
■ 国民年金の平均月額が6万6千252円。2万円以下の人が36万8千154人。
一番多いのが、6万~7万円で1、483万5、773人。
■ 厚生年金の平均月額が14万4千366円。
一番多いのが、9万~10万円未満で112万5、260人。
※ 男女間では、6万円の開きがあります。
※ 年金の水準は将来的に下がって行く見通しだ。
※ 基礎年金の水準を上げて貧困層の年金生活者にせめて月10万円を支給する様にしないと、生活苦による自殺あるいは、栄養失調による孤独死が増加するのではないか?
■ 内閣府の白書によると、年金だけで生活する高齢者は半分以下。
70歳~74歳の39%が生活に困っていると回答している。
※ 日銀の統計によると、今年3月の国民のタンス預金が105兆円で過去最高と発表
要介護2以下は介護保険不適用!?
※ 社会保障における財源(2021年度)
財源総額123,7兆円(内訳)「保険料」72,4兆円・「国庫負担」35,7兆円
残りは「地方税負担」
※ 財務省で行われた「財政制度分科会」で社会保障制度改革案」として「要介護2まで軽度の扱いとし、介護保険の適用除外にする」と政府は提案しました。
何故?背景にあるのは
(1)団塊の世代が後期高齢者になると医療費・介護費が急激に増加する。
(2)団塊の世代を支える子供も平均55歳~64歳になり、いわゆる「老老介護問題」
にもなっている。団塊の世代の介護問題は、全人口の約4割が家族からの支えがな
い事も指摘されている。
(3)高齢化が進むと「単身高齢者世帯」も増加する。
(4)国庫負担は上がり続けピークは2038年~2040年(16年後)と推測
(5)ではこの後、何が待っているのか!
子供のいない高齢者、生涯独身世帯が社会保障問題の中心になる。
(6)もはや無い袖は振れない!介護費用削減は既定路線?
今後本格的に介護を必要とする高齢者が増加すると、疲弊する介護の現場に十分なおカネが回らなくなる!
政府は、予算削減の対策として、少しでも自力で生活できそうな要介護2以下の高
齢者には、とにかく介護保険を使わせず自活してもらう。
又、高齢者のグループホーム的な集中管理体制にして、地域で高齢者に集住しても
らって介護コストを下げたいという狙いがある様だ。
※ 結論として、カネが無く、家族もいない高齢者にとっては、本人の意思とは無関係に
社会環境が長生きを許さない状況になりかねない!
【高齢化について】
■高齢化率(令和元年国勢資料)
※全国(28,4%)京都府(29%)舞鶴市(31,6%)
(1)高齢化率31,8%(令和2年7月現在の舞鶴市)
(2)舞鶴市の65歳以上人口(25、714人)
(3)舞鶴市の65歳以上世帯数(5,032世帯)
※ 市全体(34、619世帯)
(4)舞鶴市の65歳以上単身高齢者人口・世帯(4、712人・世帯)
※ 舞鶴市の65歳以上の人口で占める単身高齢者人口割合(18,3%)
※ 舞鶴市の65歳以上単身高齢者が占める世帯割合(13,6%)
【高齢社会白書】(内閣府年次報告書)より
■「一人暮し高齢者」(内閣府は平成8年から毎年公表)
※ 昭和55年(男性約19万人)・(女性69万人)
65歳以上人口に占める割合(男性4,3%)・(女性11,2%)
※ 平成27年(男性約192万人)・(女性400万人)
65歳以上人口に占める割合(男性13,3%)・(女性21,1%)
※ 僅か35年の間に男性は約10倍・女性は約6倍となっている。
令和4年7月24日