舞鶴市民の安心・安全を考える会]8月号 舞鶴市議会議員選挙 2022 立候補者 河端けんじ


                             代表 河 端 謙 治

【年金制度・後期高齢者医療制度の改正】
■ 令和4年4月に年金制度の大改正が行われる。
年金の受給開始を75歳まで繰り下げる事が可能になる。(但し、対象者は昭和27年4月
2日以降生まれ)
※ 仮に75歳まで繰り下げた場合、年金額は1,84倍になります。しかし、「落とし穴」もある。
  思ったより長生き出来なかった時に損してしまうだけでなく、長生きした場合でも「介護保険料」や「後期高齢者保険料」を一生多めに払い払い続け、医療費の自己負担割合も3割になってしまうリスクもあります。
■ 後期高齢者医療制度の変更
 所得に応じた従来の「1割負担」と「3割負担」に加えて、令和4年10月から新たに「2割負担」が創設されます。
※ 「一世帯に本人以外の後期高齢者医療制度の被保険者の方がいて、かつ本人とその被保険者の収入の合計額が520万円以上である」場合は3割負担。
  合計額が520万円未満であれば2割負担となります。
(例)夫婦二人暮しで夫婦揃って70歳以降の保険料は・・・?(520万円以上の場合)
※ 二人分の国民健康保険料は、月額約3万8000円(年約46万円)
※ 二人分の介護保険料は、月額約1万8300円
  合わせると年金収入の約2割(年約68万円)になります。
※ 夫婦共に後期高齢者医療制度の対象になると、保険料は月額1万9000円になります。
■ 遺族年金も注意が必要
※ 遺族年金には「遺族基礎年金」(国民年金)と「遺族厚生年金」があります。
※ 老齢厚生年金には税金がかかります。遺族厚生年金は非課税です。
(例)夫婦共に70歳まで繰り下げして老齢基礎年金・老齢厚生年金を受け取っている場合では、遺族厚生年金ならば子供の有無に関わらず受給出来ます。しかし、夫の遺族厚生年金から妻の老齢厚生年金を差し引いて支払われます。妻は遺族厚生年金を少ししかもらえない事になります。
【令和4年から国民健康保険の上限が引き上げ】
保険料負担の公平性と中低所得者層の保険料負担軽減を理由に3万円引き上げになる。
単身世帯で年収約1,140万以上(給与・年金所得約940万円以上)
※ 75歳以上は医療費の窓口負担が2割になる人も
(2割の対象とは)
75歳以上が一人の世帯は「年金収入+その他の合計所得金額が200万円以下」
2人以上の場合は「年金収入+その他の合計所得金額が320万円以上」
※ 窓口負担が2割となる人は、令和4年10月1日施行後3年間は負担を抑える配慮措置があります。

■ 日本の社会保障制度は今後どうなる?
内閣府「令和4年版高齢社会白書」によると令和3年10月1日時点での高齢化率は28,
9%。
今後益々少子化が進みます。財源を確保する為に国民の保険料や税金の負担が増えます。
国は、介護保険負担開始年齢を引き下げる事を検討しています。
税金対策として、例えば「控除」を活用する。所得控除を活用して課税所得を抑える。
■ 単身70歳・貯蓄ゼロで年金月6万円・・生活苦で生活保護を申請したが・・
厚生労働省「被保護者調査」によると、2022年5月時点で生活保護を受けている人は163万9,505世帯、受給人口202万3、336人
過去2年を見ると受給人口は減少傾向にあるのに対し世帯数は横ばい状況。特に単身高齢者世帯が増えている。65歳以上の受給者は105万人(全体の64%を占める)
※ 健康状態も判断基準になる為、「働けない高齢者」である事が条件になる。
■ 年金だけで暮らせない時「年金生活者支援給付金」があります。
※ 国民年金には、「老齢年金」・「障害年金」・「遺族年金」の3種類
【受給資格】
○「老齢年金」 同一世帯の全員が市町村民税非課税である事。又、前年の公的年金等の収入金額とその他の所得との合計額が88万1200円以下である事。
○「障害・遺族年金」それぞれ年金の受給者である事。又、前年の所得が472万1000円以下である事。但し、収入金額に年金等の非課税収入は含まれない。
【給付額】令和3年度の基準額・月額5030円(扶養親族の人数により増額されます)
● 老齢年金生活者には「補足的老齢年金生活者支援給付金」が支給される場合があります。
【手続き】認定請求が必要
※ 生活保護との併用は可能です。
■ 年金受給前に亡くなった人は約12万人「厚生労働省令和3年人口動態統計月報年計」
※ 生計を同じくしていた家族が「死亡一時金」を受け取る事が出来ます。
※ 金額は12万~32万(国民年金保険料を36月以上納めている事)
※ 遺族厚生年金もあります。(死亡当時55歳以上・受取人は60歳以上)
【老後における生活資金源】(金融広報中央委員会・令和3年)より
○ 公的年金 83,9%(全体)
○ 公的年金+就業による収入 39,5%
■ 年金、1円ももらえない・・・「無年金者」は全国に50万人強
■ 年齢別の人数(令和3年厚生労働省実態調査)より
一番多いのが、75歳~79歳(153、699人)
2番目が80歳~84歳(125、911人)
※ 国も対策しています。2017年に保険料納付期間を25年から10年に短縮
  又、60歳から70歳までは国民年金に任意加入が出来る様になりました。
※ 年金の不正受給が後を絶たない。(例えば、夫の遺体を隠し、年金を不正受給する)
  この様な犯罪予備軍と言える高齢者が大勢いるのではないかと思う。
■ 少子化が高齢化を更に推し進めます。
  3年に及ぶコロナ禍により、婚姻件数が一気に15万件減少!
将来的に約24万3千人の出生が減少すると予想!令和3年の出生数81万人であったが、年間の出生数が60万人を加速度的に切って来ます。令和3年で年間約57万人人口減少。令和3年の死亡数138万人。人口減少に歯止めが掛からない!
■ 年金月10万円、止まらぬ物価上昇!
7月の消費者物価指数は2,6%上昇(前年同月比)
8月時点で値上げ済み又は予定企業は7割。既に来年9月までに予定している企業も3割。
既に値上げ回数2回以上が25,8%。中には5回以上が3,8%。
食料品は秋以降本格化。年内累計計2万品目超えると言われている。
※ 高齢者世帯を所得別に見ると、100万~200万未満が最も多い。
「国民年金」月5万円未満が26,4%(所得60万円未満)
「厚生年金」月10万未満(男性・10,4%)・(女性・48,5%)平均29,4%
※ 高齢者の所得格差と貧困層の増加。日本はどんどん貧しい国になっている。
【生活苦による高齢者の万引き犯罪の増加】(法務省・犯罪白書)より
※ 高齢者の刑法犯検挙人数4,6万人・万引きによる検挙人数は全世代平均30,8%
  65歳~69歳では43%・70歳以上64%
※ 特に女性が多い。65歳~69歳69%・70歳以上82%
  犯行動機で見ると、理由として「生活苦」が63%を占める。
  検挙に至らない闇の数は、2倍からあると思う。
※ 3年後には、75歳以上の後期高齢者が爆発的にピークを向かえます。
  生活苦に追い込まれる高齢者は更に増加すると考えられる。
老後破綻
額面20万円の年金で、税金・社会保険料が天引きされます。これが約15%(¥30,
000) 手取りは約17万円になります。
(例)夫婦共に30歳、夫が年収500万(手取り400万)の会社員、妻が専業主婦の場合(片働き世帯)では、
(夫)老齢厚生年金9万7千円・老齢基礎年金6万4千円 計161,000円
(妻)老齢基礎年金6万4千円 夫婦合計年金225,000円(月)
天引きされて、手取りは191,000円です。貯蓄が650万円(中央値)とします。
※ 総務省「家計調査」によると、世帯主が60歳以上、無職世帯の1ヶ月の支出は約24万円です。単純に月4万9千円の赤字です。
※ 65歳時点での平均余命を夫婦共に25年とすると、800万円の赤字になります。
単純に月2万5千円の節約が必要になります。しかし、突発的に医療費や介護費が生じる
と、それこそ資産が破綻する可能性が強くなる。これが、いわゆる「老後破綻」に陥って
しまう。
老後の人生を「健やかに」「自分らしく」成就するならば、貯蓄は2千万円必要になる。

令和4年8月19日

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