舞鶴市民の安心・安全を考える会
令和4年9月30日
「河端謙治が訴える」No2
【貧困おひとり様高齢者が選ぶ最悪の決断】
厚生労働省「令和3年人口動態」によると、2021年「自殺者」は2万0,291人。
その内65歳以上が6,238人と3割を占める。
男女別に見ると、男性3,907人・女性2,331人。
※ 自殺動機の6割が「健康問題」。うつ病による引き金が多い。
※ 自殺動機の2割が「経済的困窮」これもまた、うつ病を発症するケースが多い。
※ うつ病対策が高齢者の自殺予防になる。(セーフティネットで早期発見が鍵になる)
■ 単身高齢者の家計(総務省「家計調査・家計収支編」2021年)
【単身65歳以上の平均家計】
○ 持ち家率/80,2%
○ 家賃・地代を支払っている世帯率/15,7%
○ 消費支出/13万7,210円
■ 厚生年金で見てみると「あんなに働いて、年金はこれだけ・・・」
厚生労働省「令和2年度厚生年金保険・国民年金事業の概況」より
○ 厚生年金平均受取額14万6,145円
※ 男性平均17万0,391円・女性10万9,205円
平均受給額で「持ち家」であれば、何とかなる。でも女性は厳しい。
しかし、平均以下で見ると(月14万円以下48%)・(月10万円以下23%)である。
平均以下になると、「これでどう生きろと言うのか」となる。
以上の事から年金受給額は年々減り続け、自助努力を求める声は、益々強くなるばかり。
高齢化の進展と共に生活困窮高齢者は増加する。増加と共に将来を悲観し高齢者の自殺は増える。
特に単身高齢者の場合は社会から孤立し、苦境が伝わらない、支援も届かない、等社会から取り残されて行く傾向がある。最悪の決断になる前に「セーフティネット」を地域・行政等が連携し必要な人にいかに届けるかが課題である。
[70代アルバイトが背負う地獄]
2018年以降内閣府の「働く目的」調査では、「お金の為」が10%上昇。
70代以上で35,2%、次に多いのが「生きがいを見つける為」27,1%
例えば年金受給額(国民年金+厚生年金)10万円未満23%になります。
■ 総務省「労働力調査」2021年によると
※ 働いている70代438万人
※ 70代人口1,600万人(4人に1人は働いている)
※ およそ70代の150万人が「お金の為」に働いている。
■ 厚労省「令和3年賃金構造基本統計調査」によると
※ 70代労働者の平均月給10万7,874円(手取りで8万円ほど)
幾ばくかの手当てを入れると、年収132万円ほどです。
52万人の無年金の高齢者がいる社会では、アルバイト代が生活の全てと言う高齢者もいるはずである。生きる為に、死ぬまで働かざるを得ない高齢者もいるはずである。
なんとも厳しい状況の高齢者も大勢いると思う。それが超高齢化社会にある日本の実情だ